雨粒のような歌声の歌姫は、思いがけない運命の出会いでこの曲で世界中の人々を
魅了することになる。
どうしてもミニーの歌声、サウンドからは、儚さを切り離す事は出来ない。
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Lovin' You/Minnie Riperton
「神はよく過ちを犯す。天空の果てに鎮座し、どこまでも続く純白の雲に囲まれながら、
天使の歌声を聴く毎日。その中で神は絶えまない変化を求める。
時に待つことができずイライラし、また時に、そこに迷いが生じることもある。ある時、神は誤り、5 オクターヴの音域を持つ天使を地上に降ろしてしまった。」
この曲が誕生したのは、きっと決して巷で使われている「歌姫」とは違う本物のDIVA。その譜系は、本当の歌姫と世界中の人々に幸せを与えたものなんだと誰も疑わないと思う。その中に自分のマイフェバリット、周りの皆の思い入れに強い曲の話には必ずと言っていいほど現れていて、数多くのミュージシャンの作品から彼の名前が聴いてきた。
チャールズステップニー。
Chess、Cadet、ロータリーコネクションを経て、ヒットに見舞われなかった。下らない「ジャンル」という消費者の為の枠組みに当てはまらないロータリーコネクションの高度な音楽は、ラジオや人々には届かない。その後の再評価は、それを物語っているし、宝石のようなものだ。
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Rotary Connection "Respect" (1969)
ミニーは、失望の中にあったのかもしれないが、そのグループの中でリードボーカルを務めあげたというミニーのキャリアの中で身に沁みこんだ良質の音楽時間は間違いないものだった。
Chessは、ブルース期の全盛を過ぎ、新たな可能性としてチャールズステップニーを迎え入れる。
チェスは、50年代のアメリカのブルース、ロックンロールの誕生と歴史に大きく影響を与えたレーベルであることは、数年前に公開された映画、
キャデラックレコード の人気と共に有名。
その頃Chessでコーラスをしていたミニーはそこでステップニーと出合い、参加のジャズ部門のCadetでロータリーコネクションのボーカルとなる。
そしてソロデビュー。
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minnie riperton/come to my garden
60年代後半、Cadetからステップニーによりミニーは、この曲を残す。どうしてもミニーと言ったら、
「Lovin You」が代表的だが、今現在この1stの評価は、陽の目を見ていることは、31歳の若さで天国に戻っていったミニーはきっと空から見ているはずだ。
70年代に入り、心機一転でフロリダに移住した先に出会った人物はミニーの大ファンだったスティービーワンダー。彼女が勇気を持ってかけた一言からスティービーは彼自身、大ファンであったロータリーコネクションのボーカルであったミニーという事に気付く。
そんなミニーにとってもスティービーにとっても運命の出会いからこのアルバムが74年にリリースされるのが2枚目のPerfect Angelはタイトルの通りスティービーが天使に送ったLovin'Youを収録。
このアルバムに、「A VERY SPECIAL FAN」と書いてあるのは、ミニーがスティービーに送ったメッセージである。
「僕にはミニー・リパートンという友達がいてね」
と、スティービーが語る。
「生前、彼女が口癖のように言っていたんだ。“例えば、グラスにワインが半分ほど注いであったとして、私はそれを人生にたとえるなら、‘もう半分しか入っていない’と考えるよりも‘まだ半分もあるわ’と思いたいのよ”ってね。」
そのリリースから二年後、ミニーは乳がんを宣告される。
「私は黒人だけど、決してブルースは歌わないわ。」
「黒人だから、みんなブルースを歌うべき?でも、私にはブルーに落ち込むようなことは何もないの。 ブルースは悲しい感情で歌わなければならない。でも私はハッピーな人間。」
手術成功後、一時活動を休止し、全米にて乳がんの経験を語り、そのあとも復帰、歌い続ける。
今現在のピンクリボン運動の先駆けとなり、自身の術後の経過を公開する。女性にとって乳がんによってなくした片胸の痛みをも乗り越え、
78年、再発。
そして79年、ちょうど4月で僕と同じ年にミニーは再び天国に戻った。
彼女の地上に舞い降りた31年間は、人々に歌声を残し、同じ病に苦しむ勇気と感動を与えた。
彼女は、常に笑顔で。
夫リチャードと結婚後、スティービーと出会った、フロリダは喧騒と離れた場所を求めて訪れた土地だった。そこには、白人であった夫と暮らす上であった、差別的な周囲からの目線もからの彼女の心機一転でもあり、安らぎでもあり、人種差別と闘うだけではなく、わかり合う為に、夫の負担もなくす為でもあった。
常に自分の状況と闘っていた。
最晩年、死の床にあったミニーにスティーヴィーが見舞いに訪れた時、ミニーは「私の待っていた最後の人が来た。」とつぶやいたという。
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Ramsey Lewis/Sun Godness
ミニーという天使をしっかりと咲かせたCadet、そしてステップニーの魅力、
1974年のラムゼイとモーリスホワイトのこの曲。ステップニーによりThe in Crowdをヒットさせたラムゼイは、その後、チェス時代、EW&F以前にドラマーとして一緒にステップニーの下でバンドをしていた、そしてステップニーに影響を受けたモーリスホワイトと新しい音を作り出す。
今までのラムゼイにはなかった音と、アースらしさが出たモーリスのサウンド、そしてどちらのベースともなっているステップニーの音楽を感じ取る事の出来る名曲。
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Fantasy - Earth, Wind & Fire1978
70年代後半、世界的に人気を博したEW&Fはその二年前、ステップニーはミニーよりも早く天国へと逝く。モーリスは、彼にリスペクトを送り、76年に彼と製作中だったアルバムを「Spilit」と名付け、彼に捧げた。
Cadet、ステップニープロデュースの名曲は計り知れない。
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Terry Callier - Ordinary Joe 1972
ふと雨の降る時、ポケットからプレイヤーを取り、この曲を選んだり、六月の雨の時期、車の中でこれを選んだり。全部が混じり合う。
ジャケットイメージもOccasional Rainというタイトルもステップニーの作り出す雨の世界も。
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Terry Callier / Charles Stephney - What Color Is Love.
何とも言えないジャケットの物悲しい妖艶さとこの中の収録曲、度肝を抜かれたYou Goin' Miss Your Candymanは、Cinematic Orchestraもプレイしていたのが印象的。
このタイトルの色ってなんなんだろう。肌の色なのか音色なのか。
そんなテリーは、2012年10月27日に逝去。晩年もさまざまなミュージシャンとコラボし、活動の幅広さは目立った。
自分にとって影響を与えた曲の裏側で、ステップニーのプロデュースがあった。それが知っていて聴いたとしても、クレジットを見てから気付いたとしても、今となってはどれも自分の中で一枚一枚いい思い出になっている。
Interrupted Greatness: The Charles Stepney Story
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Interrupted Greatness: The Charles Stepney Story
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ステップニーの魂は生き続けるし、きっと天国でその昔の仲間達と新しい音楽を作っているに違いない。
他にも内容の濃いウィットに富んだ多くの記事がある中で、恐れ多い記事を自分の少ない知識でここに残していることが多いなと最近ふと思うので本当に皆さんには申し訳ないです。
というわけで最後は和モノでちょっとふざけよう。
ふざけすぎたか?
これ秋元康プロデュースというか、対訳か。レイ・パーカーJr知ったら怒るなこりゃ。主題歌なはずないやろ。トラックはまんま使い。気になる人は、探してみて下さい。苦笑
気を取り直して、、、
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I Just Called To Say I Love You
Stevie Wonder
(1979)
邦題は、心の愛。これも名曲中の名曲。しかしこの名曲中の名曲。
実はこの曲、元祖湘南サウンド、親交のあったブレッドバターの為に書き下ろされた曲で「特別な気持ちで」というタイトルで、本当のオリジナルは彼らになる予定であった。
1973年の『IMAGES』の制作する時にスティービー・ワンダーとロンドンのスタジオで親しくなり、その後もずっと交流を続
け、1979年にブレッド&バターの活動再開するという話になった時に、スティービー・ワンダーが彼らに曲をプレゼントされた経緯が。
作詞は呉田軽穂名義の松任谷由美、編曲細野晴臣が担当。この豪華な面子で日本でのリリースを前にスティービーから「やっぱり返してほしい」と連絡が。
もし、を言ったら歴史にキりがないけど、非常に残念。その5年後改めてスティービーから使用の許可がおり、ミニアルバムに 収録。
しかし、この時代からスティービーと交流のあった実力あるミュージシャンが日本にいてくれた事は本当に嬉しい。そしてその時代にステップニーやミニーが生きていて、スティービーと出会っていたことも。
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LIVE映像があったのでアップ。右二人がブレッド&バターの岩沢幸矢氏と二弓氏。
幸矢のハープの音色がスティービーの独特の音色と近いのが印象的。
最後にブレッド&バターで僕の大好きな曲は、これ。
ブレッド&バター (Bread & Butter) /ピンクシャドウ
最初にこの曲を知ったのは山下達郎のカバーだったのだけれども、それがもう本当に大好きな曲でオリジナルを存在を発見したとき死に物狂いで探した思い出が。
ジャケットも湘南の自宅の庭で、タイトルの通りバーベキューしてるところがたまらないなぁ。
LIVE映像は、見た頂けたらもっとわかってもらえるはず!素敵!
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最高。
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これが達郎さんバージョン。収録アルバムの「Its a Poppin’ Time」では、バックコーラスが
僕が日本で歌が一番だと思う。吉田美奈子嬢。そして、Bassに岡沢章さん、Pianoに坂本龍一こと教授も参加、またまた教授の登場です。
そして山下達郎×美奈子さんの最強コンビについてはまた長くなるので後々。
春を飛び越し、夏を待ち遠しく思いながらこの曲を聴くのも凄く良いと思う。夏に聴くよりも。
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ブレバタ、偉大だ。
最後に去年NOVOLさんに富山で描いてもらったこの絵スティービーを。
天才の足跡、天使の歌声、宇宙のファンタジー。Music is Love。